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労働組合で活動をしていると
毎日のように長時間労働に関する相談を受けます。
ほんとこの国はどこにいっても長時間労働のブラックばかりで嫌になりますよね。
「うちは毎日定時上がりだよ」という人に今まで一人も出会ったことがありません。 
だからわたしが「毎日定時で帰ってる」というと羨ましがられるものです。


なぜここまで日本は長時間労働が蔓延するのか
それは一言で言うと、労働者が残業のルールを知らないからなんです。
 

残業には労使協定が必要

労働基準法では1日8時間・週40時間以上の労働をさせてはいけないと定められています。
そしてそれを上回る労働を行う場合は労使協定(36協定)で残業の上限規制を定め
1日8時間・週40時間を超えた労働に対しては割増賃金(25%増)を支払うよう定められています。


残業をさせるって言うのはそんなテキトーなものではなく
しっかりと労使協定を締結してその上限時間を定めなければなりません。
協定は選挙で選ばれた従業員代表か過半数労働組合が会社と結びます。
労働組合がない場合は、従業員代表の選挙から始めなければなりません。
年に1回、必ずです。


その労使協定は従業員がいつでも確認できるよう閲覧方法を周知させる義務があるのです。
まとめるとこうなります。


①従業員代表の選挙もしくは過半数労働組合の結成
②労使協定の締結
③労使協定の周知
④割増賃金の支払い


ここまでやって会社は初めて従業員に残業をさせることができるようになります。
36協定を締結していない職場では、労働者に1分足りとも残業をさせてはいけません。


みなさんご存知でしたか?
自分の会社の36協定ってどこで見れるか知ってますか?
そもそも従業員代表の選挙をやったことがありますか?


ほとんどの人は全てNOと回答するのではないでしょうか
実際、わたし達に寄せられる相談は36協定を見たことがない
従業員代表の選挙なんて知らない。
基本的にこんな感じです。


残業をさせると言うのは非常に重いことなんです
色々な手続きが必要なんです。


従業員代表選挙の方法

従業員代表は会社が指名してはいけません。
民主的な手続きで従業員が選挙を行いそれで選ばれた人
その事業所の従業員代表となって労使協定を締結します。
つまり会社のある程度地位がある人が勝手に会社と締結するとかではダメなのです。


そして従業員代表は会社に1人いればいいと言うわけではなく
営業所が複数ある場合、その営業所ごとに従業員代表を選出し
営業所ごとに協定を結ぶ必要があるのです。



つまり「本社の中で勝手に決めてるんでしょ?」と言う認識は誤りであり
法律上、全ての従業員が立候補可能な状態となっています。


もしあなたが労働組合のない会社で従業員代表を知らなかった場合
全ての残業が違法状態にあると言えるでしょう。
本当であればここまで複雑な手続きを取らなければ
会社は残業を命じてはいけないのです。


どうですかみなさん?
従業員代表選挙やりましたか?
誰が立候補してどのような方法で投票が行われたか知っていますか?
知らなければ全て違法です、今日から毎日定時で帰りましょう。

過半数労働組合の場合

過半数労働組合とは、その事業所の過半数の従業員で組織された労働組合です。
労使協定の締結は過半数労働組合の代表も行うことができます。
が、基本的にこの過半数労組は会社の犬である御用組合であることがほとんどなので
事実上労使が対等な立場で結んだ協定とは言えません。


これは大企業なんかでよくあるのですが
大手の飲食店などが従業員を囲い込んだ過半数労働組合を結成「させて」
上限いっぱいの36協定を締結するなどの手口が見られます。


先ほども申し上げましたが、残業をさせるためには労使協定が必要です
つまり労使協定さえなければ残業など1分もする必要はないのです。


ところが実際はどうですか?
大手であろうと小売飲食は残業だらけ
それものそのはず、従業員を守るための組織である労働組合が
過労死水準の36協定を平気で結んでいるのだから。


とんでもない話ですよね
連合(日本労働組合総連合会)が「8時間労働で暮らせる賃金を!」とか言っているのに
8時間以上の労働をする36協定に自分たちでサインをしているのだから
これだけ見てもいかに連合が会社の犬だかわかりますよね。

まとめ

今回は意外と知らない残業をさせるための手続きについて書きました
日本では経営者がやりたい放題サージス残業をさせまくっていますが
法的には残業をさせることは労使間のしっかりとした合意が必要なのです。


そして労使協定がないのに残業をさせていた場合
労働基準法32条違反となり、労基から是正勧告を受けます。
わざわざ裁判を起こさなくても労基レベルで対応できるのです。


労基法には刑罰が科せられているので
労使協定のない状態で残業をさせることを繰り返した経営者は
書類送検されて裁判にかけられます。


残業をさせると言うのは本来であれば
しっかりとした手続きを踏んで行われなければならない
非常にハードルが高いものなのです。
例えば従業員代表に選ばれた人が36協定への同意を拒んだ場合
もうその日から1分も残業をさせてはいけないのです。
もし残業をさせた場合、最悪裁判沙汰になります。


もし労働者がこの残業に関するルールさえしっかりと知っていれば
長時間労働によって命を落とす人などゼロになるでしょう。
だってそうですよね、誰だって早く帰りたいし


経営者に忖度しない人を従業員代表なり
過半数労働組合の代表に選びさえすれば
長時間労働はすぐにでもなくすことができるのです。


そのために必要なのは経営者を恐れずに従業員一人ひとりが団結し
しっかりと権利を行使していく必要があるのです。

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